2023年12月9日発売!
メインビジュアル

香月美夜「本好きの下剋上」ドラマCD10アフレコレポート【その2】

香月美夜「本好きの下剋上」ドラマCD10
アフレコレポート【その2】

【その1】【その2】【その3】【その4】

○森川智之さん

森川智之さんはカルステッド役、ボニファティウス役、トラオクヴァール役、ギャラリー3と多くの役を演じてくださいました。

まずはトラオクヴァールから始まりです。
声の確認から始めました。

「○ページ、もうちょっと悲哀を感じさせてください」

力の無い、お飾りのツェントらしい声です。
トラオクヴァールが終わったら、次はギャラリー3です。

「これ、他の人も合わせるから頭に『せーの』って入れてくれる?」
「はい。……せーの、神に祈りを」
「あ、もっとテンション上げて」
「神に祈りを!」

森川さんに祈ってもらったら、次はボニファティウスです。
ボニファティウスの声の確認をして収録開始。

「懸想の発音ってどちらでしたか?」
「懸想だよ」

基本的にサクサクと進んでいく森川さんにしては珍しく「何故フェルディナンドなのだ」に苦戦していました。「な」が多いのか、上手くリズムにならなかった感じ。

「○ページ、『は?』でくれる? 今『な?』になってた」

意地っ張りなおじい様は結構可愛いですね。

ボニファティウスが終わったら、カルステッドも声の確認をして収録です。
カルステッドも台詞は少ないのですが、婚約式でローゼマインを見た父親らしい一言を書籍で追加しました。それを脚本で國澤さんがきちんと拾ってくださっています。

「○ページ、『なっ!?』ってジルヴェスターと合わせてください」
「なっ?!……あ、おじいちゃんになっちゃった」

んんっと気を取り直したカルステッドの声で「なっ!?」をいただきました。

「お疲れさまでした」

この収録で森川さんにはプロポリス飴をいただき、後日TOブックス経由で我が家に届きました。
森川さんがPRしている商品だそうです。
ありがとうございました。

○宮沢きよこさん

宮沢きよこさんはリヒャルダ役とソランジュ役を担当してくださっています。

ソランジュは声を確認して収録。
1ワードなので、すぐに終わりました。

そして、リヒャルダ。
書籍の加筆部分で出番が増えています。
こちらも声を確認してから収録開始です。

「○ページ、ガブリエー『ル』って言っています。ガブリエー『レ』でお願いします」

リヒャルダの愛情の深さを感じられるシーンになりました。

「お疲れさまでした」

○諸星すみれさん、寺崎裕香さん

諸星すみれさんはハンネローレ役、レオノーレ役、フロレンツィア役、ギャラリー女1&ギャラリー女を、寺崎裕香さんはヴィルフリート役、ユーディット役、イルムヒルデ役を演じてくださいました。
二人とも多いです。

まずはハンネローレから声の確認を始めます。

「サンプルの声から2~3歳くらい年齢を上げてください」
「はい」

サンプルが初登場のシーンなので、めちゃくちゃ幼いんですよね。
声の確認をしたら収録です。

「○ページ、もうちょっと驚きを入れてください。えーと、声を大きくするのではなく、絶句する感じで……」

ハンネローレが終わったら、次はレオノーレの声の確認です。
こちらは前回のものだったので、特に年齢の変更もなく進めます。
レオノーレはローゼマインと行動を共にしているので、まだ台詞がある印象ですね。

それから、ギャラリー女1の収録。
こちらは継承の儀式に出席しているギャラリーの一人です。
急に声が変わった感じで驚きました。
諸星さんは本当に多彩な声が出ることに驚きます。

「じゃあ、後編に移ろうか」
「あの、ギャラリー女は……? ギャラリー女1とは別にいますよね?」
「あ! いるな。これ、別キャラか。紛らわしいな」

諸星さんの申告により、ギャラリー女の収録をしました。
また別の声ですよ。ビックリです。

諸星さんの最後はフロレンツィアです。
声を確認して収録していきます。

「すみません。全体的にもっとゆっくり、優しい感じでお願いします」

フロレンツィアがちょっとキビキビしたイメージになっていたので、修正してもらいました。

そして、寺崎さんの出番ですね。
初出のキャラなので、まずイルムヒルデの声を寺崎さんに作っていただきます。イルムヒルデはフェルディナンドの貴族の母になるはずだった人(故人)です。

「先生、どうですか?」
「うーん、もうちょっと線の細い感じでお願いします」

回想シーンの1ワードなので、声ができたらあっという間にイルムヒルデの収録は終わりました。

次はヴィルフリートとユーディットです。
声の確認をして収録していきます。

「○ページ、『良い』は『よい』で読んでください」
「×ページ、もうちょっと声を潜めて、心配している感じでお願いします」
「△ページ、祝詞っぽくしてほしいので、前に録った人の声を聴いてください」

ほとんど修正もなく終了です。

「お疲れさまでした」

○井上喜久子さん、三瓶由布子さん

井上喜久子さんはエルヴィーラ役とエグランティーヌ役を、三瓶由布子さんはギル役を演じてくださいました。

「まずはエグランティーヌの声を確認してからな」

エグランティーヌの収録開始です。

「○ページ、ここはもう少し厳かというか、真剣さというか、後がない感じの緊迫感が欲しいです」
「×ページ、『フィ』ルディナンドって言っていませんでした?」
「△ページの『グルトリスハイト』はもっと呪文っぽくしてください」

エグランティーヌの収録が終わると、次はエルヴィーラの声を確認して収録開始です。

「○ページ、ここはもう少しはしゃいだ感じが欲しいです」
「……先生、これははしゃぎすぎ?」
「その後の真面目な台詞との落差が欲しいので、これでOKです」

うきうきエルヴィーラと真面目エルヴィーラの両方をお楽しみください。

井上さんの収録が終わったら、ギルの声を確認します。
サンプルとして出てきたのはアニメの声。

「すみません。その頃からギルの声を6、7歳は上げてください」
「え? ギル、今は何歳になってるんですか?」

三瓶さんの疑問に答えるために指折り数えます。

「えーと、19歳かな? マインやルッツが7歳の時にギルは11歳だから」
「は? 19!? 待って。アニメの時、ルッツより結構年上だったの!? 初めて知った! え? マジで? ショック!」

『本好きの下剋上』ではギルとルッツがセットでまとめられて行動することが多いのですが、碌に食べられなくて成長不良だっただけでギルの方が実は4歳上なんですよね。
一応小説ではギルの方がルッツより身長の高い描写もあります。

「○ページ、神殿で側仕えが出迎えるところ。ギルが最初だから『せーの』って入れておいてくれる?」
「はい。……せーの、『おかえりなさいませ、ローゼマイン様』」

……あれ、今回の収録ってニコラとザームの出番はないけど、キャストさんはいたよね?

香盤表を見直し、音響監督さんにお願いしました。

「あ、すみません。そのギルのセリフですが、神殿の側仕えの挨拶なので以前にザーム役をしていた岡井さんとニコラ役の日野さんにも追加でお願いして良いですか?」
「了解です。追加しておきます」

おとなになったギルの声をお楽しみに。

○潘めぐみさん

潘めぐみさんはクラリッサ役、オティーリエ役、ギャラリー女2を演じてくださいます。

まずはクラリッサから。
以前の声を聴いて収録開始しました。
クラリッサはテンションが高くて「ローゼマイン様、大好き」が前面に出ていて、とても可愛いです。
婚約魔石を作る時の助言、とても好きです。

クラリッサの次は、オティーリエ。
第三部から出ているキャラですが、なんと声が付くのは初めてなんですよね。

「ハルトムートの母親? オティーリエって何歳くらいですか?」
「40代前半でお願いします」

それにしても、ハルトムートの婚約者と母親を同じ人が演じるのか。
そう考えると、ちょっと面白いですね。

「先生、こんな感じでどうですか?」
「OKです」

台詞は多くないので、声ができたら収録自体はすぐに終わりました。
ギャラリー女2はサクッと終了。

「お疲れさまでした」

○井口裕香さん、速水奨さん(前編)

井口裕香さんはローゼマイン役とメスティオノーラ役、速水奨さんはフェルディナンド役を演じてくださっています。

今回は前編だけです。ローゼマインは163、フェルディナンドは128と二人の台詞数は他の方と比べものにならないくらい多いですから。

「じゃあ、始めるな。最初に声を聞いてもらって、それから録るから」
「はーい」

ローゼマインとメスティオノーラの声を確認。
収録を始めたのですが、井口さんが少し言い間違えて台詞の言い直す様子がテストをしている時と同じで……あれ?

「テストじゃなくて本番なんだけど……」
「うわわっ! きゃー!? テストと思ってました! すみません! ……うぅ、本番、本番」

音響監督さんの言葉に大慌ての井口さんが可愛かったです。
速水さんは苦笑気味に「録るって言ってたよ」と言っていました。

「ローゼマインの声、最初の方が結構幼くありませんでした? もうちょっと大人の声にした方が良いと思うのですが……」
「そうですね。あと、メスティオノーラはもっとふわっとした抑揚でお願いしたいです。女神らしさが欲しいので」

声の調整をして、更に収録を進めます。

「○ページ、すみません。こちらのミスです。エアヴ『ィ』ルミーンになっているのでエアヴ『ェ』ルミーンに修正してください。あと、『そして』が二回続くので片方は削除でお願いします」
「×ページ、『大事』を『大切』って言いませんでした?」
「△ページ、ここは冷笑というか、鼻で笑う感じを入れてください」
「○ページ、すみません、様抜けです」
「×ページ、『鎌』をカギって読んでたな? カマな」
「△ページの回想シーンは盗聴防止の魔術具を使っているので、効果をお願いします」

長いし、多い。マジ大変。
聞いているだけでも大変なので、収録をする二人が心配になります。喉、大丈夫?
井口さんが同じところで詰まって「あぁ~」となっていたり、速水さんが長台詞の最後の最後で詰まって「くそぉ」と呟いたり……。
前編も大変でしたが、最終日に後編の収録もあるんですよね。
頑張ってください。

「香月さん、鈴華さん。お疲れさまでした。本日のアフレコは終了です」
「お疲れさまでした」
「鈴華さん、確認済み原稿を送ります。香月さんにはこれから情報公開前の確認メールを大量に送ります」

……知ってた。

アフレコが終わっても、私達の仕事は終わりません。
リモート会議室から出たらメール確認です。

【その1】【その2】【その3】【その4】

戻る